「家に帰りたい」その一言を叶えるために、私たちができること
いつも「なじみの家 きなせや寺山」のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
日々の中で、私たちはご利用者様お一人おひとりの「生きてこられた物語」や「心の声」に耳を傾けることを何よりも大切にしています。
先日、あるご利用者様との忘れられない大切なひとときがありました。
■ いろいろな試み、それでも食事が進まない日々
そのご利用者様は、徐々にお食事が難しくなってこられていました。 「何か少しでも口にしていただけるものは無いか」と、スタッフ一同で大好物を準備したり、工夫を凝らしたりして様々な食べ物をお勧めしてみたものの、どうしても拒否されてしまう日々が続いていました。
体力が落ちていく中で、その方が最後に口にされた言葉。 それは、「家に帰りたい……」という、切実で、とても純粋な願いでした。
■ 看護師付き添いのもと、住み慣れた我が家へ
施設での安全なケアも大切ですが、私たちは「ご本人の最後の願いをどうしても叶えて差し上げたい」と考えました。
もちろん、お体が優れない中での移動にはリスクが伴います。 そこで、看護師がしっかりと付き添い、安全面や医療的なサポートに万全を期した上で、住み慣れたご自宅への一時帰宅を決定しました。


■ ほんのり浮かべられた涙、その意味
ストレッチャーでお家に到着し、懐かしい我が家の空気、ご家族のぬくもりに包まれた瞬間——。
ご利用者様の目には、ほんのりと涙が浮かんでいました。
言葉にはならなくても、その涙には「帰ってこられた」という安堵や、ご家族への感謝、様々な想いが溢れているようで見守る私たちも胸が熱くなりました。お食事は召し上がれなくても、心の栄養はこれ以上ないほどに満たされた瞬間だったのではないかと感じています。


医療や介護の枠に縛られるだけでなく、「その方らしく生きること」「最期まで願いに寄り添うこと」。それこそが、私たちが目指す介護のカタチです。
これからも「きなせや寺山」は、ご家族の皆様と一緒に、かけがえのない時間を支え続けてまいります。



