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実は劣悪であった、措置制度のもとでの公的サービス?

 ところで、私がこのような飛躍的な結論を展開するのには、実は伏線があるのです。平成12年から介護保険制度の施行に当たり、介護をめぐる福祉業界において大きな環境の変化があったと言われています。私はこのころから努めて社会福祉法人の経営のための勉強会に出席していました。その勉強会では、例えば三人の講師が順次講演したとすると、三人が三人とも冒頭でこう話しを切り出すのです。「皆さん、これからは『措置制度』から『契約制度』の時代になります。もう今までのような経営では成り立ちません。競争の原理が導入されたのです」と。私はしばらくこの言葉の意味が分かりませんでした。
そもそも「措置」という言葉にどのような意味があったのでしょう。それは50数年前の終戦の時代にさかのぼります。この時代の社会福祉は、家や親を失って浮浪している児童や老人を、捕らえるようにしてジープに乗せて、施設に強制的に収容することが至上課題であったというのでした。
以下は大阪市立大学インターネット講座より第4回講義内容 「高齢化社会の福祉」を引用したものです。それにはさらに詳しく次のように書かれています。「こうした時代背景にあっては、行政という公権力によって決定を下し、住民を半ば強制的に施設に収容することが強く求められた。これは、行政が主体となりサービス利用の決定を下すことであり、『社会福祉の措置』と呼ばれる仕組みである」「措置制度の下では、施設が入居者を自らの手で捜しだすことは不要であり、行政がすべて利用者を当てがってくれる。そのため、施設間やサービス提供機関間での競争が生じることはない。すなわち、良いサービスを提供しているために多くの利用者がやってくるといった『市場原理』が作用しない仕組みになっている」とあります。このような文面から、私には「措置」という言葉の意味がようやく理解できるようになりました。

また、「介護サービス事業の経営実務」(介護サービス事業研修会 編集第一法規出版 平成12年1月30日発行 編集協力 社会福祉・医療事業団)の冒頭部分での「11 介護保険はなぜ生まれたのか」から、この間の様相を示す語句を拾って書くと次のようなものです。「端的にいうなら低所得者対策である」「療養そのものが生活である。にもかかわらずその療養環境は劣悪である」「人間の尊厳を重視し、人権やプライバシーを配慮した環境になっていない」「実態としては劣悪なサービスしか提供されていない……」「介護保険を必要とした第3の理由は、介護を必要とする高齢者とその家族が強いられてきた脆弱な介護サービス体制を時代に見合った新しい制度に変え、利用者本位の制度にしていくということである」
これを見ると、実はこれまでの公的サービスは惨澹たる有り様であったことが想像できます。この原因はそれこそ「措置制度」にあったと言って良いでしょう。この制度下における公的施設でなされた公的サービスが、まさか全部ということでないでしょうが、いかに劣悪なものであったかが、この書きようから想像できるというものです。

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